人生を決定付けた本達・・
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最近、忙しいせいか更新が滞っている。なんとなく書く気になれなかったのも一因だが、まあそんな時もあるさ。気分を変えるために今まで子供時分から読んできた本のなかで印象的なものをすこし語ってみたい。画像はないが。
「三銃士」アレクサンドル・デュマ著
これは小学生の4年生くらいに出会って夢中になった本だ。フランス革命以前、ルイ13世時代の時代劇だ。まだこの時は日本史に目覚めてなかったが、その後の読書傾向を決定付けたような本だ。主人公のダルタニヤンよりも悪役たるリシュリュー枢機卿に大いに魅かれていた。物語のような悪事はやってないだろうが、清濁併せ呑む大政治家である。日本はもちろん、世界史上にもまれな政治家だろう。
話がそれたが、剣劇やラ・ロシェル攻囲戦の描写にも大興奮であったよ・・。
「海底2万海里」著者をど忘れした・・
今でもSFはよく読むが、その世界に目覚めさせてくれた本ですな。19世紀なのに深海をうごめく潜水艦・・なぞめいた艦長。同じ作者で他にも「15少年漂流記」とか何冊か読んだが、飛びぬけていたなあ・・。
「アーサー王宮廷のヤンキー」マーク・トゥエイン著
「トム・ソーヤーの冒険」や「ハックルベリー・フィンの冒険」が有名だが、こんなトンデモ小説も書いていた。話は簡単・・19世紀のアメリカ人が中世の英国・アーサー王の時代にタイムスリップして、産業革命の技術を用いてドタバタ騒ぎを起こすという面白いお話です。
印象的なシーンは、主人公が敵国につかまってあわや死刑になろうというところに自転車に乗った「円卓の騎士団」が救出に現れるというところ・・当時は大爆笑。今もクスクス笑ってしまう。
ここまでが子供時代・・小学生の頃かな・・。
「鷲は舞い降りた」ジャック・ヒギンズ著
第2次大戦中、英国のチャーチル首相を暗殺すべく、ナチス・ドイツ軍のコマンド部隊が英国に潜入する話・・冷酷非情なドイツ兵かと思いきや、軍人として任務に忠実なだけでヒトラーに心酔しているわけではなく、冷や飯を食わされていたところを抜擢されて心ならずも出陣する男達・・潜入に成功し、チャーチルが休暇に訪れる村をひそかに占領。村人と反目しあいつつも、いつしか心通じ合っていく。ドイツ兵の一人は村人の子供を助けるために命を省みずに川に飛び込み、死んでしまう。
そんなエピソードがいくつか続き、話は怒涛のクライマックスを迎え、そこにはまさかのどんでん返しが・・。いわゆる「戦争冒険小説」を初めて読んだ時の興奮は今も忘れ得ない。
「深夜プラスワン」ギャビン・ライアル著
いわゆるスパイ小説の古典である。第2次大戦後、東西冷戦が時代の空気であった頃のお話。ストーリーは・・いまいち思い出せないが、通学電車の中でそんなタイトルの本を読んでいたことに自己満足に浸っていたことをおもいだしたなあ・・・。
「三国史」吉川英次 著
いうまでもなく支那の「三国史」をベースに歴史小説の巨匠・吉川先生が描いた大作である。三国史人気は江戸時代以前からあるが、昭和においてその流れを決定付けた超・名作。いうことなし!
吉川先生の作品はこれ以外にも色々読んだなあ・・今、思えば歴史にハマッたきっかけは吉川先生に負うところ大ですね。
「独眼龍政宗」山岡荘八 著
大河ドラマ「独眼龍政宗」の原作ですね。これをベースに天才・ジェームス三木先生が脚本化、伊達政宗を渡辺謙さんに抜擢して、大河ドラマ史上最高視聴率を獲得した傑作ですね。いうことなし!
「グイン・サーガ」栗本薫 著
日本のファンタジー小説界で最長記録を築いたにも関わらず、結末を書き終えないまま昨年お亡くなりになられた栗本先生のご冥福を祈りたい。
この小説は頭が豹で体が逞しい戦士という主人公が大国の陰謀の中を時に腕力で、時に鋭い知性で渡り歩いていく大河ファンタジー小説ですが、作者の癖なのでしょうか、時に冗長になりすぎてしまっていました。誰か書き継いでくれませんかね。ねえ、ハヤカワ文庫さん。考えてみてよ。
「孫子」
古代支那の兵法家・孫先生の兵法書。古典の中でも最高傑作の一冊ですね。不思議な本で、読む年代ごとに読み方が深まっていくという凄い本。古代の帝王も戦国武将も幕末の志士達も一度は読んでいる傑作。
孫子以外にも6冊の兵法書が存在し、あわせて「武経七書」というが、孫子一冊だけで十分かも。他の6冊も面白いけどね。
中高生時代に読んだ本で印象的なのはこのあたりですかね。他にも「指輪物語」とか「山本五十六」とか色々あるけど語りつくせません。
最後に徹底的に影響をうけた作家だけ紹介したい。それは北方謙三先生です。一般的にハードボイルド作家と思われているかもしれませんが、ここ20年近く歴史・時代小説も沢山書いておられます。「破軍の星」「楠正成」「悪党のすえ」「道誉なり」「三国志」「水滸伝」「楊家将」「血涙」「楊令伝」などなど・・・沢山ありすぎて書ききれません。ずいぶん読んだけど、この先生は底がみえませんわ。
それら作品群のなかで決定的だったのが「武王の門」・・・日本の南北朝時代、九州に南朝の再起をかけて渡った後醍醐天皇の皇子がいた。それが征西将軍宮・懐良親王であり、お助けしたのが肥後の豪族・菊池武光公である。またその中にわが先祖の一人も関わっているようないないような・・読んでいる途中から背中に雷撃をくらったかのような衝撃を感じつつ読んでいたな。読みながら、「北方先生こそ探し続けてきた作家であったか!」と考えていたのを思い出します。
先生の作品は読みやすく、かっこよく、のめりこみ、そしてせつない・・とてつもなく「せつない」のですよ。この感情は女性よりも男性の方が理解してもらえると思うが、のめりこむ女性ファンがいるのもまた事実。老若男女とわず幅広く読んで欲しい作家ですね。
そして今・・北方先生が命の炎をもやして書き継いできた「水滸伝」「楊家将」「血涙」「楊令伝」といういわゆる「北方水滸伝サーガ」の終局を飾る「岳飛伝」の連載が「月刊すばる」で始まりました。先日、ほんの2~3ページ読むつもりが、50ページ以上ある第1話を読みきってしまった・・それだけ面白いのですよ。
今宵はここまでにいたしとうございまする・・。ああ、眠い・・。
最近、忙しいせいか更新が滞っている。なんとなく書く気になれなかったのも一因だが、まあそんな時もあるさ。気分を変えるために今まで子供時分から読んできた本のなかで印象的なものをすこし語ってみたい。画像はないが。
「三銃士」アレクサンドル・デュマ著
これは小学生の4年生くらいに出会って夢中になった本だ。フランス革命以前、ルイ13世時代の時代劇だ。まだこの時は日本史に目覚めてなかったが、その後の読書傾向を決定付けたような本だ。主人公のダルタニヤンよりも悪役たるリシュリュー枢機卿に大いに魅かれていた。物語のような悪事はやってないだろうが、清濁併せ呑む大政治家である。日本はもちろん、世界史上にもまれな政治家だろう。
話がそれたが、剣劇やラ・ロシェル攻囲戦の描写にも大興奮であったよ・・。
「海底2万海里」著者をど忘れした・・
今でもSFはよく読むが、その世界に目覚めさせてくれた本ですな。19世紀なのに深海をうごめく潜水艦・・なぞめいた艦長。同じ作者で他にも「15少年漂流記」とか何冊か読んだが、飛びぬけていたなあ・・。
「アーサー王宮廷のヤンキー」マーク・トゥエイン著
「トム・ソーヤーの冒険」や「ハックルベリー・フィンの冒険」が有名だが、こんなトンデモ小説も書いていた。話は簡単・・19世紀のアメリカ人が中世の英国・アーサー王の時代にタイムスリップして、産業革命の技術を用いてドタバタ騒ぎを起こすという面白いお話です。
印象的なシーンは、主人公が敵国につかまってあわや死刑になろうというところに自転車に乗った「円卓の騎士団」が救出に現れるというところ・・当時は大爆笑。今もクスクス笑ってしまう。
ここまでが子供時代・・小学生の頃かな・・。
「鷲は舞い降りた」ジャック・ヒギンズ著
第2次大戦中、英国のチャーチル首相を暗殺すべく、ナチス・ドイツ軍のコマンド部隊が英国に潜入する話・・冷酷非情なドイツ兵かと思いきや、軍人として任務に忠実なだけでヒトラーに心酔しているわけではなく、冷や飯を食わされていたところを抜擢されて心ならずも出陣する男達・・潜入に成功し、チャーチルが休暇に訪れる村をひそかに占領。村人と反目しあいつつも、いつしか心通じ合っていく。ドイツ兵の一人は村人の子供を助けるために命を省みずに川に飛び込み、死んでしまう。
そんなエピソードがいくつか続き、話は怒涛のクライマックスを迎え、そこにはまさかのどんでん返しが・・。いわゆる「戦争冒険小説」を初めて読んだ時の興奮は今も忘れ得ない。
「深夜プラスワン」ギャビン・ライアル著
いわゆるスパイ小説の古典である。第2次大戦後、東西冷戦が時代の空気であった頃のお話。ストーリーは・・いまいち思い出せないが、通学電車の中でそんなタイトルの本を読んでいたことに自己満足に浸っていたことをおもいだしたなあ・・・。
「三国史」吉川英次 著
いうまでもなく支那の「三国史」をベースに歴史小説の巨匠・吉川先生が描いた大作である。三国史人気は江戸時代以前からあるが、昭和においてその流れを決定付けた超・名作。いうことなし!
吉川先生の作品はこれ以外にも色々読んだなあ・・今、思えば歴史にハマッたきっかけは吉川先生に負うところ大ですね。
「独眼龍政宗」山岡荘八 著
大河ドラマ「独眼龍政宗」の原作ですね。これをベースに天才・ジェームス三木先生が脚本化、伊達政宗を渡辺謙さんに抜擢して、大河ドラマ史上最高視聴率を獲得した傑作ですね。いうことなし!
「グイン・サーガ」栗本薫 著
日本のファンタジー小説界で最長記録を築いたにも関わらず、結末を書き終えないまま昨年お亡くなりになられた栗本先生のご冥福を祈りたい。
この小説は頭が豹で体が逞しい戦士という主人公が大国の陰謀の中を時に腕力で、時に鋭い知性で渡り歩いていく大河ファンタジー小説ですが、作者の癖なのでしょうか、時に冗長になりすぎてしまっていました。誰か書き継いでくれませんかね。ねえ、ハヤカワ文庫さん。考えてみてよ。
「孫子」
古代支那の兵法家・孫先生の兵法書。古典の中でも最高傑作の一冊ですね。不思議な本で、読む年代ごとに読み方が深まっていくという凄い本。古代の帝王も戦国武将も幕末の志士達も一度は読んでいる傑作。
孫子以外にも6冊の兵法書が存在し、あわせて「武経七書」というが、孫子一冊だけで十分かも。他の6冊も面白いけどね。
中高生時代に読んだ本で印象的なのはこのあたりですかね。他にも「指輪物語」とか「山本五十六」とか色々あるけど語りつくせません。
最後に徹底的に影響をうけた作家だけ紹介したい。それは北方謙三先生です。一般的にハードボイルド作家と思われているかもしれませんが、ここ20年近く歴史・時代小説も沢山書いておられます。「破軍の星」「楠正成」「悪党のすえ」「道誉なり」「三国志」「水滸伝」「楊家将」「血涙」「楊令伝」などなど・・・沢山ありすぎて書ききれません。ずいぶん読んだけど、この先生は底がみえませんわ。
それら作品群のなかで決定的だったのが「武王の門」・・・日本の南北朝時代、九州に南朝の再起をかけて渡った後醍醐天皇の皇子がいた。それが征西将軍宮・懐良親王であり、お助けしたのが肥後の豪族・菊池武光公である。またその中にわが先祖の一人も関わっているようないないような・・読んでいる途中から背中に雷撃をくらったかのような衝撃を感じつつ読んでいたな。読みながら、「北方先生こそ探し続けてきた作家であったか!」と考えていたのを思い出します。
先生の作品は読みやすく、かっこよく、のめりこみ、そしてせつない・・とてつもなく「せつない」のですよ。この感情は女性よりも男性の方が理解してもらえると思うが、のめりこむ女性ファンがいるのもまた事実。老若男女とわず幅広く読んで欲しい作家ですね。
そして今・・北方先生が命の炎をもやして書き継いできた「水滸伝」「楊家将」「血涙」「楊令伝」といういわゆる「北方水滸伝サーガ」の終局を飾る「岳飛伝」の連載が「月刊すばる」で始まりました。先日、ほんの2~3ページ読むつもりが、50ページ以上ある第1話を読みきってしまった・・それだけ面白いのですよ。
今宵はここまでにいたしとうございまする・・。ああ、眠い・・。
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