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日本画の精髄を見に行く~国立近代美術館~

 今回は千代田区内のある所に来ました。
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 竹橋です。皇居はもう目の前。近くには毎日新聞社の本社や橋を渡ったところに国立近代美術館がございます。
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 かつて「東の横山大観、西の竹内栖鳳」といわれた日本画の巨匠「竹内栖鳳」展を見に来ました。

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 こちらの国立近代美術館は来るのは初めてでした。場所は知っていましたが縁がなかったのか・・・この美術館自体も一つの芸術品ですね。

 展覧会の撮影は出来ないので・・・
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 図録から何点か紹介。手提げ袋とセット販売していました。図録単独でも購入できますよ。栖鳳の代表作のひとつ「班猫」を図録の表紙に、手提げにもデザイン化しております。猫好きにはたまらない意匠です。この猫は栖鳳が静岡県沼津に滞在中に八百屋(魚屋?)でみかけた子を貰い受けて京都の自宅に連れて帰り、何年もかけて描いたそうですが、ある美術番組でも詳しく紹介していたのでここでは省きます。展覧会で本物を見ることができたのが幸いです。

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 栖鳳さん、獅子も沢山描いております。「獅子図」は昔から日本画家が好んで描いた画題でありますが、明治に入って動物園などで実物を観察できるようになったためリアルです。栖鳳さんはリアルな獅子を六曲二双の屏風に描いております。実物はとても大きいので美術館以外だと大広間のある旧家や料亭、旅館など展示できる場所は限定されそうですが、是非、畳のあるお部屋で鑑賞したいですね。どこかの美術館でそういう企画展示やってくれませんか?

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 こちらの「象図」・・見た瞬間に長沢芦雪の「白象黒牛図屏風」を思い出しました。栖鳳さんも意識していたのでしょうか?象の背中の上の猿がなんとも愛嬌あります。

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 「飼われたる猿と兎」の左側、兎部分。栖鳳さんは動物を実際に飼育して日々の観察の中からデッサンを重ね、作品化していったそうです。動物達を見ていると、単に細かく観察していただけでなく、動物達への愛情が感じられますね。栖鳳さんの人柄が偲ばれます。 

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 「絵になる最初」、大正2年の「文展」に出品されたものだそう。栖鳳さんが天女図を描くために呼んだ芸者さんが初めて人前で裸身をさらすのを恥らっている様を描いたものだそう。またこの着物の柄は栖鳳さんがデザインしたもののようで、後に高島屋さんで販売したそう。当時の美術と商売の関係がうかがえて面白い作品ですね。

 他にも沢山あるので実際に見たほうがいいですが今月の14日までなんだよね。これほどの規模の回顧展は40年振りらしいので、まとめてみるのはむずかしいですが竹内栖鳳さんの名前は覚えていて間違いないですね。
 今回の展覧会で他によかった点は、栖鳳さんのデッサン帳やご自身で写した写真が見られたこと。特に写真はよかった。ありふれた写真ですが、画家が製作のために写した写真をみて「着眼点」を見るのは写真好きにとって刺激になりました。

 こちらの美術館は上階に展望室があり、皇居方面を見学できました。このアングルから見るのは初めてでしたので楽しかった。
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 丸の内のビル群です。中央左側の橋は平川橋で、江戸城の平川門に通じています。

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 江戸城のお堀と石垣ですね。右の樹木の上に見える建物は宮内庁書陵部です。 
 
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 右端は、江戸城の北詰橋です。こうして見ると、この辺りが江戸城の「ベスト・ビュー・ポイント」です。古い城郭と現代のビル建築が融合した眺めは、世界に誇る財産です。

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 見よ!この石垣の美!切り込みハギの石垣の美しさ!!

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 北詰橋門の上に、はるか六本木方面のビルが見えます。左から二番目のビルが六本木ヒルズで、その隣の鉄塔が東京タワーの先端です。天気はあいにくでしたが撮影にはちょうどいい日和でした。


 また行きたい美術館でした。次回は江戸城撮影にもうちょっと時間を割いてみようと思います。


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雑司ヶ谷散策~その3~

 今回も豊島区雑司ヶ谷のあたりです。

 法明寺の本堂脇には・・・
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 とっても凛々しい顔立ちの狛犬ちゃんです。鼻が高いのね。
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 クルクルカールしたおぐしとあいまって、全体的にソフトなかっこよさです。後ろは・・
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 うん形も一挙に紹介。
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 いつ頃のものか不明ですが、造型感覚がそんな古い感じしないのですよね。戦後かしら・・?

 本堂をお参りしないとね。
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 扁額が立派。その両脇にも・・
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 このお寺は狛犬ちゃんが沢山います。本堂の脇には・・・
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 子供を攫ってきては喰らっていた鬼女でしたが、お釈迦様に我が子を隠されてしまい、必死に探す中泣き叫んでいるいる所にお釈迦様が現れ、子供をなくす悲しみを教え諭され、それ以降はお釈迦様の熱心な弟子になったそう。このお寺ではそれを現すために「鬼子母神」の表記の「鬼」の上の点がありません。角が無くなったという意味だそうです。
 江戸時代には武士や庶民達の参拝兼娯楽スポットになっていたのでしょう。

 そんな法明寺の境内にははるかに見上げるばかりの巨木がございます。
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 樹齢600年以上の公孫樹の大木でございます。雑司ヶ谷の特殊な空気感を形成するのに、この公孫樹は多大な影響力があるような気がします。
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 太田道灌の頃には若木でしたが、徳川家康の頃には風格のある大木だったのでしょう。見てください。この根っこ・・・
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 大変な生命力ですね。この木を見上げるだけで命の洗濯になります。

 法明寺を後にすると、すぐそばに
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 雑司ヶ谷というとミミズクです。
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 このミミズクの石像・・・深夜2時をまわると「ホー、ホー」と鳴きます。・・・嘘です。深夜2時くらいにこの辺歩いたことありません。多分、雰囲気のあるところですからひょっとすると・・・。

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 昭和の下町的な路地裏です。下町といっても、東京東部のほんものの下町と東京西部の雑司ヶ谷では雰囲気が違いますがね。私は西部の中野区や新宿区で過ごしてきたので、東京東部に行くと、「肌合い」の違いを濃厚に感じます。葛飾区や足立区、江戸川区などには一生住むことはないと思います。

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 今時、こんな木の塀が残っているんですね・・懐かしい感じがします。

 今回はここまで。次回は・・
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雑司ヶ谷散策~その2~

 前回からの続き、雑司ヶ谷の威光山・法明寺に来ています。このお寺は弘仁元(810)年に真言宗・威光寺として開かれ、後の正和元(1312)年に日蓮の弟子の一人である日源上人が日蓮宗に改宗して「威光山・法明寺」と改めました。
 江戸幕府三代将軍・徳川家光公より御朱印を受け、手厚く保護されました。また関東大震災や大東亜戦争で本堂などが被災しても復興を遂げてきました。

 そんな法明寺で出迎えてくれるのが・・・
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 仁王像です。台座など見てもいつ頃のものか不明なので造型を中心に見て行きましょう。

 まず阿形・・・
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 東大寺の仁王像ほどではないにしてもマッチョに造られています。盛り上がる筋肉で仏法の敵に対して威嚇しているのでしょうか?

 うん形は・・・
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 こんな感じのオジサン達なら工事現場を探せばいそうですね。

 仁王像の衣の裾には・・
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 きちんと模様まで彫られています。布で作ったらどんな色や模様なんでしょう?服飾方面の知識はないので不明ですが考えたら面白そう。

 仁王像からちょっと歩くと
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 手水舎。斜め向いには・・
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 創業1781年の駄菓子屋「上川口屋」さんがございます。なんと田沼意次が老中を務めていた時代からやっているお店だそうです。古いですねぇ・・。このお店が長く続いてきたのは代々の店主の努力の賜物でしょうが、ここ雑司ヶ谷だからこそ存続できたのでは・・いや、この境内だからこそ可能だったのではないかという気がします。と、感じさせる不思議な空気感がここには流れているのですよ。

 本堂に向かう途中には・・
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 灯篭が両脇に立っています。下に彫られた獅子の顔が妙に人間臭い・・・
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 こちらはかなりアクロバティックな態勢で見ているこちらの肩がこってきそうです。

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 やっと本堂が見えてきましたが・・今回はここまで。

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雑司ヶ谷散策~その1~

 お久しぶりです。もう夏も終わりましたね。今年も忙しくて何も出来なかった・・・誰か出会いを紹介してくれませんかね。

 それはさておき・・今回から数回に分けて、豊島区雑司ヶ谷周辺の散策をお送りしたい。いつもランニングコースで廻っているのに、じっくり見て廻るのは初めてだったのでけっこう楽しかったです。

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 雑司ヶ谷というと「鬼子母神」で有名です。厳密には「鬼」の上の点がないんですよね。お釈迦様に諭されて角がとれた・・という伝承から。詳しくは次回以降。
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 商店街を参道のように舗装されています。道沿いに行けば、どなたでも行けます。

 途中で都内唯一の都電の線路をまたぎます。路面電車って、京都や広島、熊本でお馴染みですが都内ではここだけですね。のんびり走っていていい感じ・・・。
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 まあ、それがしは鉄道ファンではないのでこれくらいで・・。

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 線路を越えるといよいよ・・。

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 こちらのケヤキ並木は都の天然記念物なんです。この辺りから周辺と空気感が違ってきます。懐かしい感じがするんですよね・・昭和というか・・。

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 こちらで雑司ヶ谷案内所にお邪魔します。無料の観光地図を頂けたり、民芸品などを販売しています。ここの二階には・・。
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 手塚治先生の原画コピーがございます。なんでもここの裏手の並木ハウスに若き手塚先生がお住まいだったそうで。すごいねぇ・・・。

 さらに歩いていくと・・・。
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 威光山法明寺が見えてきました。ここが今回のメイン。造型好きにはなかなかの穴場でした・・。乞うご期待


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夏の暇つぶし~アイアンマン・フィギュア~

 世間は盆休みだが、それがしは仕事があるので盆休みはない。とはいえ休みもあるので、そんな時はカメラを抱えて散策写真を楽しむわけだが、秋葉原に通りかかったときに見つけてしまった・・・。

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 映画「アイアンマン」シリーズのガチャガチャがあったので思わず熱くなり、やってしまった・・1体ずつでれば総額二千円だが、ほぼ倍額かかってしまった・・・。あな恥ずかしや。
 しかしさすがの海洋堂、よく出来ている。鑑賞に耐え得るものである。1体ずつ見ていきたい。

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 ロバート・ダウニー・ジュニア演じるトニー・スタークがテロリストに捕らわれて、最初に造ったアイアンマン・マーク1、非常に荒削りだが天才トニーが造るだけはある。背中の「STARK IND.」が洒落ている。映画では背中まで見ていなかったからどうなのかな?

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 こちらは見事生還したトニーが豪邸の地下研究所で改良したアイアンマン・マーク2、とはいえこれは試作機。高高度では氷がつき、コンピュータが機能停止するのだが、その点は映画のラストにも関わる伏線なのでまだ見ていない方のためにもこれ以上は・・・。

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 こちらはアイアンマン・マーク3、改良を重ねた完成機。映画のポスターやDVDの表紙にも大きく写っているからこっちのほうが印象強い。
 しかしよく出来ている。原型師、まじハンパねぇ!高さ30センチくらいのブロンズ像でもあったらほしいね。銅像ハンターとしては。

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 こちらは映画のラストでアイアン・モンガーとの対決で傷ついたマーク3 

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 そして敵役のアイアン・モンガー・・こいつだけ4体も出てきやがった・・・軍団ができるな。

 組み合わせると・・
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 こんな遊び写真もできます。

 まあ、暇なオジサンの暇なブログでした・・・。

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プロフィール

サムライ銅像研究会

Author:サムライ銅像研究会
歴史と銅像と芸術が大好きなあまり、日本各地を東奔西走する銅像・史蹟ハンターである。神出鬼没なため、脈絡無しのブログ更新を続ける。掟はただ一つ!「死して屍拾うものなし!」昔の時代劇の決め台詞だけどね・・皆さん、見てやあ!
 最近、キューピーに侍の装束を着用させる遊びをやっております。「武者ピー」と呼んで可愛がってやぁ~!以後は「キューピー甲冑師」とも名乗ります。

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